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MAX232を負電源にする実験

 MAXIMのサイトからMAX232(+5V電源、多チャンネルRS232ドライバ、レシーバ)の日本語データシートをダウンロードし見たところ、以下のような記述がありました。軽い負荷の負電源ならこれで、作れそうです。

 (MAXIMデータシートより抜粋) MAX220〜MAX249は、RS-232ドライバ出力駆動のために、+5Vから±10V(無負荷時)に変換する2つのチャージポンプを内蔵しています。最初のコンバータはコンデンサC1を使い、+5V入力を+10Vに2倍圧変換し、V+出力のC3に蓄えます。次のコンバータはコンデンサC2を使い、+10Vを-10Vに反転しV-出力のC4に蓄えます。V+とV-端子がないMAX225、MAX245〜247を除き、+10V(V+)と-10V(V-)出力から少量の電力を外部回路に取り出すことが可能です(標準動作特性参照)。V+とV-は安定化されていないため、出力電圧は負荷電流の増加と共に低下します。V+とV-から外部回路に電流を過渡に供給すると、EIA/TIA-232Eのドライバ出力電圧規格±5V以上が満足できなくなります。

また下図のような出力電流、出力電圧特性図が載っていました。

img2.gif

出力電流、出力電圧特性図(MAXIMデータシートより抜粋)

 V+ LOAD、 V- NOLOADであればかなり電流が取れるようですが、負電源なのでV+ NOLOAD、 V- LOADです。グラフの下の真ん中の線が該当すると思われます。そこで、ブレッドボードで実験をおこないました。

条件:

    電源 5VACアダプター(INPUT5V, OUTPUT5V2.3A) ACアダプター単体で5.1V計測でした。

    チャージポンプ用コンデンサ(C1〜C4) 0.1μF×4

    パスコン(C5) 0.1μF

    負荷 金属皮膜抵抗510オーム(1/2W)

    V-だけ使用、V+はNO LOAD

img6.gif

 

実験結果は以下のようになりました。

 

OUTPUT V- (V)

LOAD CURRENT(mA)

負荷無し

−9.6

 

負荷有り(510オーム)

−5.7

11.2

 結果的には負荷が限りなくゼロに近いときには−9.6V出ますが負荷があるとかなり電圧が上がるようです。 液晶をドライブする負電源に使用することを考えているので、せいぜい数mAしか必要ないため、−5Vを使用する液晶だと2台動かせそうです。ただ注意点としては、ここまで電流をとると徐々にV−が電圧変動していき、かなり苦しそうです。 実用レベルではかなり負荷が軽くないといけないかもしれません。

 以上の実験内容はメーカーが推奨しているわけではありません。本来の使用方法ではないのでメーカー保証の無い使い方です。メーカーに問いあわせ等をしないでください。また壊れる可能性があります、十分ご注意ください。(免責事項:実験内容および結果は趣味でやっていることなので不確定です。追試される場合は各自の責任においておこなってください)

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