ADM3202を負電源にする実験
MAX232は負電源になることがわかりました。今回は互換ICのアナログ・デバイセズのADM3202で実験をしたいと思います。
(アナログ・デバイセズ データシートより抜粋) チャージ・ポンプ電圧コンバータは、200 kHzオシレータとスイッチング・マトリックスから構成されています。このコンバータは+3.3 Vレベルの入力から±6.6 Vの電圧を発生します。これは次頁に示すように、2段のスイッチド・キャパシタ技術を使用して達成しています。最初に、電荷を保存するコンデンサC1を使用して、+3.3V入力電源を倍の+6.6 Vにします。次に、この+6.6 VレベルをC2を使用して−6.6 Vに反転します。C3は図ではV+とVCCの間に接続されていますが、V+とGNDの間に接続しても同様に有効です。コンデンサC3とC4は、出力リップルを低減するために使用しています。この2つのコンデンサの値は重要ではなく、必要なら増やすことができます。コンデンサC3は図ではV+とVCCの間に接続されていますが、V+とGNDの間に接続することも可能です。必要に応じて、コンデンサC1−C4に、より大きな値のコンデンサ(10μFまで)を使用することができます。

チャージポンプ図(アナログ・デバイセズ データシートより抜粋)
また下図のような出力電流、出力電圧特性図が載っていました。

出力電流、出力電圧特性図(アナログ・デバイセズ データシートより抜粋)
V+,V-のLOAD、NOLOADの条件はわかりませんが、3.3V電源のときのグラフなので5V電源にしたときには電圧差分だけ上下にオフセットされていくのではないかと思われます。ここでまた実験をしていきます。
条件:
電源 5VACアダプター(INPUT5V, OUTPUT5V2.3A) ACアダプター単体で5.1V計測でした。
チャージポンプ用コンデンサ(C1〜C4) 0.1μF×4 または 10μF×4 の2種類
パスコン(C5) 0.1μF
負荷 金属皮膜抵抗510オーム(1/2W)、 (510×2)オーム、 (510×3)オーム、
(510×4)オーム の4種類でR1と同種同値の抵抗を直列接続しました。
V-だけ使用、V+はNO LOAD

実験結果は以下のようになりました。
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OUTPUT V- (V) |
LOAD CURRENT(mA) |
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負荷無し |
−10.0 |
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負荷有り(510x1)オーム |
−6.8 |
13.3 |
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負荷有り(510x2)オーム |
−8.2 |
8.0 |
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負荷有り(510x3)オーム |
−8.7 |
5.7 |
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負荷有り(510x4)オーム |
−9.0 |
4.4 |
チャージポンプ用コンデンサ(C1〜C4) 0.1μF×4
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OUTPUT V- (V) |
LOAD CURRENT(mA) |
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負荷無し |
−10.0 |
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負荷有り(510x1オーム) |
−7.1 |
7.0 |
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負荷有り(510x2オーム) |
−8.4 |
8.2 |
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負荷有り(510x3オーム) |
−8.9 |
5.8 |
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負荷有り(510x4オーム) |
−9.2 |
4.5 |
チャージポンプ用コンデンサ(C1〜C4) 10μF×4
チャージポンプ用コンデンサを0.1μFから10μFにするとスイッチングした際のリプル分が減るためか多少電圧が平坦になり下がっているようです。
では実際のV-の電圧波形をオシロで見てみようとおもいます。チャージポンプ式はスイッチングなのでどの程度元の電源に影響するのか調べてみるために、最初にACアダプタ単体のOUTPUTを観測しておきます。
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ACアダプタ単体のOUTPUT<5V電源(ピンク)> 5μs/div 2V/div GNDラインは数字の2のところ |
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0.1μF×4 負荷(510×4)オームのときの V-(オレンジ)と5V電源(ピンク) 5μs/div 2V/div GNDラインは数字のところ |
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10μF×4 負荷(510×4)オームのときの V-(オレンジ)と5V電源(ピンク) 5μs/div 2V/div GNDラインは数字のところ |
チャージポンプコンデンサ10μFでは、かなりリプル分が減っているのが観測できます。またチャージポンプの容量に関係なく、V-に4V程度のチャージポンプによるスイッチングノイズがみられ、それが5V電源にまで影響しています。正直いってかなり深刻なノイズです。
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0.1μF×4 負荷(510×1)オームのときの V-(オレンジ)と5V電源(ピンク) 5μs/div 2V/div GNDラインは数字のところ |
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0.1μF×4 負荷(510×4)オームのときの V-(オレンジ)と5V電源(ピンク) 5μs/div 2V/div GNDラインは数字のところ |
さらに負荷の違いによるリプルおよびノイズを観測してみました。負荷が大きくなるとノイズも増大するようです。チャージポンプの振幅が大きくなるのでその分、チャージポンプによるスイッチングノイズが大きくなるのでしょうか。リプル分に関しては、負荷が軽いほうが増大することがわかりました。この理由はよくわかりません。
以上の実験からチャージポンプ式はスイッチングノイズがかなり大きいことがわかりました。なんらかの対策をしないと他の回路にまで影響を及ぼします。またMAX232互換でもチャージポンプの特性が違うことがわかりました。
当初期待していた−10Vの負電源を得るのは難しそうです。ノイズ対策はするとして、互換ICで電源電圧が6Vまでのものがあれば、−10Vの可能性がでてきます。専用の負電源ICも視野にいれて探してみたいと思います。
以上の実験内容はメーカーが推奨しているわけではありません。本来の使用方法ではないのでメーカー保証の無い使い方です。メーカーに問いあわせ等をしないでください。また壊れる可能性があります、十分ご注意ください。(免責事項:実験内容および結果は趣味でやっていることなので不確定です。追試される場合は各自の責任においておこなってください)